• 2026.01.05
  • Column

あたらしいことコラム 2026.01月号

◎プロローグ

新年あけましておめでとうございます。
本年も宜しくお願い申し上げます。

昨年1月に「月一コラムを始める」と書いて、結果、3回ほどしかコラムを掲載出来ませんでした。
年初め早々、反省です。。
気持ちを新たに、今年こそは月一コラムを掲載出来ればと思っております。

さて、今回のコラムでは昨年中に行った一部の業務について、少し書こうかと思います。
それほど多くの業務があったわけではありませんが、中にはあたらしい知見を得た業務などもありました。
今回は大枠のみの業務紹介になりますが、今後、弊社へご相談されたい方々のご参考になればと思っています。

以下、目次です。
1.七里ヶ浜の家計画/パッシブハウス認定総合コンサルティング
2.気密性能に関わる業務/調査と施工指導

七里ヶ浜の家計画は、パッシブハウス認定を目指したご夫婦の為の戸建て住宅です。
設計と施工、換気空調という計画全体をサポートする(パッシブハウス認定総合コンサルティング)業務でした。
気密性能に関わる業務は、とあるパッシブハウス認定を目指す案件で気密性能が出なかった為に行った業務でした。

その他詳しいことは、本文をご覧頂ければと思います。

 

1.七里ヶ浜の家計画/PH認定総合コンサル

先にも書きましたが、ご夫婦の為の戸建て住宅の計画ですが、工務店勤務である設計者の自宅という側面も持ちあわせていて、工事自体は勤務先の工務店で行うという条件の下で業務が始まりました。

お勤めの工務店もそうですが、設計者自身もパッシブハウス認定(以下、PH認定)に関わったことがなかった(正確に書くと少し違いますが、ここでの説明は割愛します)ためにコンサル業務をご依頼頂いたわけですが、、
・依頼主が設計者兼施主として、通常はしていない施工を現場(工務店)にお願いしないといけない
という、PH認定業務そのものとは別に気を遣わないといけないことがある、少し特殊な状況でもありました。

さて、前置きはこの程度で、業務内容について書いていきたいと思いますが、全体としては以下の通りです。

◎設計コンサルティング
1)当初設計に従って、PHPP(パッシブハウス認定用のシミュレーションソフト)に初回入力
2)入力結果をご説明して、改善方法などをアドバイスする
3)設計者が検討した是正案をPHPPに反映させる
4)認定条件をクリアするまで、2)と3)を繰り返す
5)ヒートブリッジとなる取合いの納まり提案をする

設計コンサルについてはこの流れで進めていきますが、現場が施工出来なければ絵に描いた餅ですので、改善方法をアドバイスする際には「施工時の注意点」などもご説明することで、依頼する工務店(今回は自社ですが)が施工可能なのか?も考慮頂くようにしています。
また、ヒートブリッジとなる取合いの提案時にも、施工を考慮して提案書を作成しています。

尚、今回の業務契約では、アドバイス(提案を含む)のみで設計自体は行いません。よって、
6)アドバイスをご参考に設計図書を作成頂く
7)作成頂いた図書を確認して、問題点があればアドバイスする
という所までが、設計コンサルティングの内容です。

ちなみに、設計含めてご依頼があれば、それにも対応は可能で、例えば、
・意匠デザインのみに集中したいので、その他の設計は外注する
という方には別の業務プランをご用意しております。

 

◎施工指導
1)設計内容に従って現場が正しく施工出来ているかを確認する
2)問題のある施工箇所を指摘して、正しい方法をアドバイスする

尚、確認する工程については契約内容に寄りますが、「上棟時」「気密部位施工時」「窓取付時」などの一般的な施工ではないと思われる工程で確認するようにしています。

また、気密処理などで使用する材料(気密テープやパッキン類など)も必要に応じてご提案していますので、初めてでどんな材料で施工すればいいか分からない、といったお悩みにも対応します。

 

◎換気空調コンサルティング
1)検討している空調換気システム概要がパッシブハウス認定に足りうる内容なのかを確認する
2)必要に応じて、機器などをご提案する
3)システム概要を図面化頂き、ダクト経路や風量計画などに問題がないか確認する
4)計画内容に問題があれば、適宜アドバイスする

換気空調システムについては、パッシブハウスでは非常に重要な部分の1つです。
しかし、一般的な住宅建築では詳細検討がされていないことが殆どで、正しく理解出来ていないという建築士の方が多い印象です。
そういったことでは他の仕様以上に、より一般的な住宅とパッシブハウスでのギャップがある部分と言えるかもしれませんが、換気空調のスペシャリストが適切なアドバイスの出来る体制を取っていますので、安心して設計・施工を行えると思います。

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今回は、業務の流れのご紹介となりましたが、本案件についての詳細は別の機会に書こうと思います。

 

2.気密性能に関わる業務/調査と施工指導

弊社がパッシブハウス認定コンサルティング(大よそ、先の設計コンサルティング1~4にあたる業務)を行っていた案件で起こった出来事で、「工事中の気密測定で必要な性能が出ない」とご相談の連絡がありました。

ご相談があった時点では現場の様子までは分からない状況で、色々とやり取りをした結果、気密不足の原因調査(原因調査及び原因是正のアドバイスなど)を請け負うことになりました。

ここで少し、工事中に実施する気密測定の意味合いを書かせて頂きますが、、
当然ですが、気密工事は建物が完成してしまうと見えなくなってしまう部分の施工になります。
よって、建物が完成してから気密測定を実施するのではなく、「気密性能に問題があれば、是正工事が可能なタイミング(工事中)」に気密測定を実施します。
我々は、これを「中間時気密測定」と呼んでいます。

(全物件を把握していませんが)殆どのパッシブハウス認定物件で、中間時気密測定を実施していると思います。
理由は単純で、気密性能が確保出来ていなければ、パッシブハウス認定が取得出来ないからです。

さて、そんな当然の意味合いを踏まえて現地調査へ伺うと、容易に是正工事が出来ない状況まで工事が進んでいました。
これは、(調査に伺う前の)我々の確認不足と言われるとそれも否定できませんが、一緒に現地調査へいったメンバーと愕然としました。

また、本案件は、内部の気密シートで気密を確保する設計になっていましたが、
・気密ラインが整っていない
・気密シートの施工が雑
ということがパッと見るだけでも分かりまして、気密性能がある印象は持てませんでした。

ひとまず、測定器を運転して漏気している部分を調査することになりましたが、先の当初見解の通り、気密処理したとは言えないほど漏気箇所が至る所で見つかりました。

最終的には、必要な部分を解体して気密処理をやり直す、ということになりましたが、何でこんな状況になってしまったのか?とても残念でなりません。
少し厳しい書き方になりますが、本案件の設計事務所も請負った施工会社も、
・パッシブハウス認定を目指す案件の「監理」又は「施工」の出来る準備が出来ていなかった
と言わざるを得ません。

実は、「施工会社がパッシブハウス認定物件は未経験」ということは聞いていたので、施工指導も出来ることはPH認定コンサルをご依頼頂いた設計事務所には伝えておいたのですが、施工コンサルティングの重要性を理解頂いていなかったことも分かる出来事でした。

また、結果としてですが、
是正工事費用と我々の調査等費用を考えると、当初より施工コンサルティングをご依頼頂いた方が費用は安かったですし、余計な工期が掛かることもありませんでした。

 

最後に、今後の我々の課題として、
・施工コンサルティングの重要性
をご理解頂けるように、引き続き活動していきたいと思います。

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以上です。
ご愛読ありがとうございました。
次号以降も宜しくお願い致します。

著/代表取締役 丸山晃寿

 

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