• 2025.04.24
  • Column

ISH2025 in Frankfurt に行ってきました vol.1

ISHレポートその1

みなさん、こんにちは!
(株)あたらしいこと・空調ディレクターの三原です。

去る2025年3月、2年に一度ドイツ・フランクフルトで開催される世界最大規模の設備展示会、ISH展に行ってきました。この展示会を見ることにより、今後の世界の設備的方向性が見えてきます。

ちょっとデロリアンで未来を覗いてきました笑

 

今回の私の目的は、最新の換気装置など省エネ機器から読み取る欧州メーカーの今後の市場に対する方向性を見てくることです。
初日から換気装置のブースをじっくり視察し、まず感じたのは非常にコンパクトな機器が多く展示されていたことです。
特に壁かけ、天吊り兼用の薄型換気装置は欧州に比べ、換気装置の設置に苦慮する日本の住宅においても十分対応可能なサイズでした。
性能に関しても、EUエネルギーラベルAもしくはA+の評価で文句なしの性能となっていました。
接続されるダクト類に関しても50~75φサイズの小口径ダクトが数多くのメーカーから展示されており、換気設備全体的にダウンサイジング化の波が来ているようです。

薄型コンパクトな換気装置で、しかも安い

 

小口径ダクトによる接続モデル

 

オーバルダクトもバッチリ!グリルに対し風量を確保するためにWで小口径を接続
ジャバラ状のダクト内部は抵抗を減らすためにフラットに加工されています

 

なぜこのような方向性なのか?

それは、欧州においても今後の新築住宅市場が厳しい環境にあることを物語っています。
現地の話しによると、建築費の増大により今の若い世代は新築住宅を建てるのが難しいのではないか?とのこと。
そのような状況下で住宅、住居における省エネ化を進めるには当然リノベーションが中心となります。
既存の住宅に省エネ設備を導入する際、設置スペースなどに多くの問題が生じます。

それらに対応するためにダウンサイジングは当たり前の流れなのです。

また、昨今の住宅は様々設備が採用され、限られた空間で複数の設備配管等が入り乱れる状況下でダクトの小口径化は今後の主流となると思われます。
残念ながら、日本製の換気装置の小口径タイプにおいては熱交換率が欧州製の物に追いついておらず、交換率の良い機器100~150φ口径のタイプに限られるのが実情です。

三菱の日本未発売モデルで驚きのメイドインジャパン
写真にある三菱製品は日本未発売モデルですが、車同様に日本メーカーの海外専用モデルの方が魅力的なのはなぜだろう?それは、日本市場に魅力が無いから笑

残念ながら住宅向け全館空調モデルは発見できませんでしたが、これは欧州の気候を考えれば当たり前なのかもしれません。
それらの話しは次回『ISHレポートその2~ストレージに見る、エネルギー事情』でお話しします。

 


株式会社あたらしいことでは、パッシブハウス認定を含めた高気密、高断熱住宅やリノベのコンサルタントから新しいシステムの構築、実物件の設計施工まで幅広く皆様のご要望に対応する準備をしております。
私の話しに興味のある方は是非、株式会社あらたしいことのinfoまでメール下さい!

著/三原正義

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